ライティングガイド

はじめに

ライターの皆様には、AI技術によってさまざまな生物の写真を識別するモバイルアプリケーションのためのコンテンツを作成して頂きます。本アプリでは、種の名前の特定だけでなく、その種に関する信頼性の高い情報を提供することを目的としています。

そのため、可能な限り多くの情報を集め、内容の詰まった信頼性の高い文章作成を心がけてください。一方、退屈で読みにくい文章にならないように気をつけてください。

本ガイドは6つのパートで構成されています。

1.情報に富んだ興味深いコンテンツにするために

コンテンツ作成においては、巧みな言葉遣いよりも有益性が重要視されます。

  • 独断で書く内容を決めるのではなく、より信頼性の高いソースを探してください。
  • まずは自国内のサイトを検索してローカルな有益情報を探してください(そのサイトに表示されている学名がターゲットの植物と一致している事を必ず確認してください)。ローカルな情報を含めることは強く推奨されています。
  • 「Google.com」などの検索エンジンを使用して英語圏のサイトを検索してください。ローカル情報以外の情報については、内容の濃さ、正確性ともに英語圏のサイトの方が高い傾向があります。
  • ありふれた表現や難解な科学用語を避け、直接的で読みやすい言葉や表現を選んでください。
  • 学術的には広く浸透しているものの、一般にはあまり浸透していない単語は、誰でも理解できるような表現に言い換えてください例:アゼルバイジャンのレッドブック→アゼルバイジャン公式の絶滅危惧植物リスト)
2.信頼性のあるコンテンツにするために

学名(ラテン名)を唯一の基準としてください。表示されている一般名(Common name)と学名が一致しない場合(一般名を検索した結果、違う学名がヒットするなど)は、必ず学名を基準にして情報収集・コンテンツ作成をおこなってください。この不一致を避けるために、まず作業のはじめにGoogleで学名を検索し、表示された日本語の一般名が作業ページに表示されているものと同じであるかどうかを確認してください。

また、参照したサイトのリンクは必ず記述してください。これはライターによるミスを防ぐだけでなく、レビュアーが校正作業をするのに不可欠な情報です。参照リンク記入欄には、参考にしたサイトのリンクをすべて貼り付けてください。食用や毒性についての特殊な情報の参照元に関しては関しては、以下のようにカッコで注釈を添えてください。

(toxicity): http://www…

(edibility): http://www…

二つ以上の情報源が必要となるタイプのコンテンツ作成(RFP内で言及されています)においては、少なくとも二つ以上の異なる情報源を参照し、そのリンクを記述する必要があります。

信頼性については、すべての参照元の情報が一貫していれば信頼に足る情報であるとみなします。参照元同士で情報に矛盾がある場合は、企業サイトや個人ブログではなく、学術・教育・行政などの公的機関の情報を信じるようにしてください。

当サービスではこれまでユーザーに対して、野生の植物やキノコ類を採取して食さないよう繰り返し注意喚起してきましたが、それでも摂取を試みるユーザーが一定数存在します。ただ、ライティングの際に以下の「細心の注意が必要な情報」に特に気をつけてコンテンツを作成していただくことで、この人数の割合を最小限に抑えることができます。

  • Non-toxic(非毒性)
  • Edible(食用)
  • Medicinal(薬用)

これらの情報にはすべて、「信頼できる参照リンク」が提示されていなければなりません。

「信頼できる参照リンク」とは、学術機関や国が運営する行政機関の公式ウェブサイトのリンクを指します。以下のようなドメインで終わるウェブサイトからの情報は、信頼性が高いとみなされます。

  • 海外政府機関 [.gov]、日本の政府機関 [.go.jp]
  • 海外の大学 [.edu]
  • 国内の学術機関 [.ac.jp]
  • 公式の非営利組織 [.org]

※Wikipediaは信頼できる参照元とはみなされません(一般情報の参照元には用いる事ができます)

  • 科学雑誌に掲載された研究論文やレビュー記事
  • 科学分野で認知されている参考文献または教科書

この、「細心の注意が必要な情報」に関しては、たとえ常識と思えるような内容であっても、信頼に足るリンクが見つからない場合は言及を控えてください。

以下は、「細心の注意が必要な情報」のそれぞれの項目についての補足です。

  • Non-toxic(非毒性) ある植物に毒がないことを説明する場合、特定の一部分ではなく、その植物全体が無毒であることを記した参照元を提示する必要があります(一部分の無毒性しか証明できない場合は、その部位の無毒性にのみ言及してください。例:「本種の花と実には毒がありません」)
  • Edible(食用)広く一般に受け入れられている作物、果物、野菜、きのこ類のみが食用とみなされます。参照元には、国内外の大手ショッピングサイトで食用として販売されているページのリンク(Sales link)が必要ですが、「信頼できる参照リンク」が貼られている場合は必須ではありません。「Sales link」を探す際には医薬品の販売ページと混同しないように気をつけてください。
  • Medicinal(薬用)歴史的・文化的な重要性を語る場合を除き、医学的な用途については言及しないでください。歴史的・文化的文脈の中で医療応用に言及する際は、その植物のもたらす効能や有効性には決して触れないでください。

その植物を食用可能な植物として紹介する際は、毒性についてもしっかりと確認してください。一部の部位が有毒であったり、生育過程で一時的に毒性を持つ植物である場合は、食用である事を紹介した後にその情報を明記してください。

例:カシューナッツは人気のある食用のナッツとして広く流通していますが、殻は有毒となります。

3.政治的・法的問題の回避方法
  • 他サイトの内容をそのまま使用する事を固く禁じます。すべてのコンテンツは、システムとレビュアーによる手動の校正過程を経て厳格にチェックされます。
  • 意見が分かれるような否定的な表現や、政治ポルノ宗教・人種差別薬物に関する記述は厳禁です。
  • 大麻やマッシュルームは一部の州や国では合法とされていますが、当サービスのコンテンツでは一切扱わない事にしています。
  • タバコとアルコールについても、当サービスのコンテンツに相応しくありません。 ※テキーラの原料がブルーアガベであると述べてもかまいませんが、テキーラがいかに美味であるかを強調する事は避けてください。
  • 説明文にブランド名や商標を記述しないでください。
4. 書式やユーザー体験に関する特記事項
  • イタリック体:イタリック体は、ローマ字を使用する言語では本のタイトルと学名(属名、種小名、亜種名のみ。科名とその上位の単位はラテン語ではないのでイタリック体を用いません)にのみ用います。その他の言葉で強調したり引用したい言葉がある場合は、Bold(太字)やカギかっこを使用してください。
  • ラテン語ではなく一般名を使用してください:一般ユーザーはラテン語の単語を見慣れていないため、必要がない限りはラテン語での名前表記は避けてください。
  • 具体的な月(Month)を記述しないでください:南半球では季節が反対なため、月をベースに時期を記述すると情報に不一致が生じます。例えば、「1月に一年草の種をまく」という情報は、日本人にとっては冬、オーストラリア在住のユーザーにとっては夏と認識されてしまいます。この問題を避けるために、時期を表す際は季節に置き換えて表記してください(春/夏/秋/冬:細分化する場合は初/盛/晩 + 季節)
5. 文法上の注意点

※Plant description、Genus description、Garden Use 共通

1.1 説明文は、「です・ます調」で統一してください

1.2 読点「、」を適切な間隔で入れてください

何が適切かは文脈によって異なりますが、列挙がない限りは一文につき1〜2程度が最も好ましいとされています。

1.3 種の説明文では、分類階級を正しく表記してください

種の説明において、枝分かれした品種や野生種を「種」と表現すると分類上の関係性が曖昧になるため、品種、栽培種、栽培品種、変種、野生種、原種、園芸品種などを適宜使用してください。英語の文献ではこれらの分類を全てspeciesと表現している場合があるため、翻訳の際は気をつけてください。

1.4 自然なコロケーションと単語の使用を心がけてください

コロケーションとは、枝を「伸ばす」や、根を「張る」のように、より自然とされる単語同士の組み合わせのことを指します。

見慣れない単語やコロケーションの使い方がわからない場合は、使用する前にGoogleの完全一致検索(””で単語を括って検索)するなどして確認してください(2つの選択肢で迷っている場合、双方を検索してヒットするサイトの数やサイトでの使われ方を比較して判断してください)

例:耐寒性 vs 寒帯性

「耐寒性」をGoogleの完全一致検索すると約700万件がヒットし、植物に関する記事で「耐寒性が強い」や「耐寒性を持っている」というコロケーションで頻繁に使用されていることがわかります。

一方、「寒帯性」を検索するとサイト数は2000件のみで、主に寒帯性気圧など気象に関する記事で使用されていることがわかります。検索結果の中に「寒帯植物」という単語が見つかりますが、これを検索するとコトバンクや日本国語大辞典などにも載っている正しい単語であるものの、894件のみと一般的に使用する表現ではないことがわかります。

以上のことから、「耐寒性」の方が説明文には好ましい表現だということがわかります。

1.5 体言止めは避けてください

誤 東南アジアが原産地とされるホウセンカ。

正 ホウセンカは、東南アジアが原産地とされる一年草です。 or 東南アジアが原産地とされるホウセンカは、…。

1.6 説明文の中で同じ単語を繰り返し使用しないでください

以下の方法で回避してください。

 ・別の単語に言い換える

 ・一つの単語で括る

   ・諦めて文を組み立て直す

1.7 英語の文献から情報を得る場合、可能な限り日本人が理解できる自然な表現に変換してください。

機械翻訳ツールで訳された形跡が残っているケースが多数見受けられます。ツールを使用しても構いませんが、あくまで情報収集を助けるためのものとして使用してください。

1.8 冗長な表現は避けてください

無駄の多い文は、洗練されていない印象を与えてしまうため、出来るだけ簡潔になるような表現を心がけてください。

例:

・「美しくて綺麗かつ華麗な花を」 →「美しい花を」

・「寒さに耐えることができ、乾燥しても枯れることなく」→「乾燥や寒さに強く…」

6. よくあるエラーの種類と例

最もよく見られるエラーを以下のシートにまとめました。>>リンクはこちら<<

記載されているエラー例に注意深く目を通す事で、よりスムーズかつ迅速にライティングルールを把握する事ができます。また、作業開始前からミスを予防し、ライティング作業がより効率的なものになる事が期待されます。

7. 作業を効率化する便利なツール

学名の検索で日本語のページのみを表示する(一般名と学名が一致しない問題を避けるため)

  1. Googleにて学名を入力
  2. 検索窓右下のツール→「日本語のページを検索」を選択

完全一致検索を利用する(ターゲットのワードの利用頻度や分野を確認するため)

  1. Googleの検索窓でキーワードを””で括る(例:”耐寒性が高い植物”)

「Siteコマンド」で毒性や食用の証明に必要な「信頼できる参照リンク」を探す

  1. Google検索窓に「キーワード site: 検索したいURLの一部」を入力します。 [.gov] [.edu] [.ac] [.org] [.jp] で終わるURLは信頼性が高いため、例えば以下のように入力して検索します。「Equisetum site:.edu」すると、URLが .eduで終わる、教育機関が運営するサイトのみが検索に表示されます。

複数のリンクをワンクリックでタブに表示する

  1. Chromeの拡張機能Pastyをインストールする
  2. Chromeツールバーのパズルマーク→Pastyのピンをクリックして青に
  3. 複数のURLをクリップボードにコピーして、ツールバー右側にあるPastyアイコンをクリック

※ URLに(Edible) などの注釈が含まれていると正常に開かないので、その場合は手動でURLを開いて下さい。

本ガイドは随時更新される予定です。