とってもカンタン!アジサイの挿し木で梅雨の時期を楽しもう

    6月といえば梅雨、そしてアジサイの季節です。アジサイは日本の庭にはよく植えられており、各地ではあじさい祭りも開かれ、日本人にとって馴染み深い花です。梅雨の時期に幻想的な色合いの花を咲かせ、毎年私たちを楽しませてくれます。花の色は土壌の酸性度によって左右されると言われています。その色を白、ピンク、赤、青、紫など様々に変えることから「七変化」などとも呼ばれています。

    雨が続くと気が滅入りがちになりますが、実は、梅雨はアジサイの挿し木に最適な季節。剪定した枝を土に挿すだけで比較的すぐに根付くので、気軽にトライできます。今回は、この季節だからこそ楽しめる、アジサイの挿し木についてご紹介します。

    アジサイの増やし方は、挿し木のほかにも株分け、分球などいくつかありますが、挿し木が最も簡単で一般的な方法です。アジサイの学名は「水の器」を意味するラテン語から来ており、それだけ水を好む植物で、湿気の高い梅雨は挿し木に最適なのです。真夏は気温が高すぎてアジサイにとって負担になり、また来年の花芽を切ってしまう恐れもあるので、気温が上がりすぎる前に、花が終わったタイミングで、剪定を兼ねて切り取った枝を挿し木にしてみましょう。

    まず用意するものは、赤玉土や鹿沼土など市販の挿し木用の培養土とハサミ、ポットか鉢、発根剤です。このとき、土に肥料や有機質を含むとカビなどの原因となるため、一般の草花用培養土や腐葉土は避けましょう。

    具体的な手順は次の通りです。剪定した枝を、一対の葉が2節ずつ付いている状態で10〜15cmほどずつの長さにし、切り口を斜めにカットします。二対の葉のうち下のほうの一対の葉は取り除き、上の一対の葉2枚を大きさが半分になるようにそれぞれカットします。これで葉からの蒸散作用を抑え、乾燥を防ぐことができるのです。

    アジサイは、前の年に伸びた枝に花を付けます。今年花が咲いた枝に直接花芽はつかず、そこから新しく伸びた枝に花芽がつきますので、剪定の際には来年の花芽まで切ってしわないよう注意しましょう。同時に、剪定しないと伸びて枝が広がってしまうので、花の位置を調節するためにも剪定するのが一般的です。

    カットした枝は、1〜2時間ほど発根剤を少量混ぜた水につけておきます。その後、湿らせた土に割り箸などで穴をあけ、枝を5cmほど土に埋まるくらい挿します。最後に、上からたっぷり霧吹きをかければ作業は完了です。挿し木をした後のポットは2~3日は毎日水やりをし、直射日光が当たらない明るい日陰に置いて様子を見てあげましょう。そのあと、徐々に日当たりと風通しのいい場所へ移動させてください。

    生命力が強く根付きやすいアジサイの挿し木は、初心者の方にもおすすめです。手順を覚えて、毎年お気に入りのアジサイの花を楽しみましょう!